大原はだか祭り

更新日:2021年09月10日

勇壮豪快 関東随一 砕ける荒波 勇む若衆

沿道いっぱいにオレンジ色の鉢巻とサラシを巻いて生き生きとした表情の担ぎ手がおり、1基の大きな神輿が中央から手前に向かって進んできている写真

開催日:9月23日・24日

 輝きの季節 やがて秋風がたち始めると、地元の人々の心は″はだか祭り″のことでいっぱいになります。地域じゅうが一体となって盛り上がる伝統の秋まつり、″大原はだか祭り″。9月下旬の2日間にわたって行われる雄壮な祭りです。十数基の神輿が一斉に海へとかつぎこまれ、もみあう″汐ふみ″が祭りのハイライト。勇ましく、雄々しく、神輿が海の中を駆け巡り、投げ上げられます。そして夕闇のせまる頃、花火を合図に大原小学校校庭に集まり、神輿を高く上げて別れを惜しむ″大別れ式″。海の男たちの情熱と優しさの両面を十分に感じることのできるこの祭りには熱心なファンも多く、毎年多くの観衆でにぎわいます。関東随一とも言われる、大原はだか祭り。強烈な感動が、心の中を駆けぬけていくようです。

祭りの見どころ

 現在の行事は、昔のものと少し異なるが、初日午前9時頃大原地区の神輿十社は親神(おやがみ)である鹿島神社に参集、法楽施行、午後大原漁港に向う。東海・浪花両地区の神輿もそれぞれ地区の行事後大原漁港へ集結。十八社がそろって五穀豊穣・大漁祈願ののち汐ふみの行事にうつる。
 この汐ふみは、この祭りの三大みどころの一つで、怒濤の中で神輿が数社もみあうさまは勇壮豪快の一語につきる。汐ふみ行事後は、木戸泉酒造前に全部の神輿が打ちそろったのち、二社が並列で唄いおどり、もみあって大原小学校の校庭へ向かう。

荒波の中、大勢の担ぎ手がねじり鉢巻とサラシを巻いた姿で胸元まで海に入り、2基の神輿を頭上に掲げている写真

商店街は祭り一色

 商店街通り約1キロは人と神輿で埋まり、祭り一色になる。夕方5時頃になって大原小学校の校庭に入った神輿は、さながら競争の如く、力のかぎり校庭内を駆け巡る。このさまは、あたかも戦国絵巻の感で絢爛豪華な模様といえる。やがて、夕暮れになると神輿は駆けおわり神輿を何度となく、高々と投げ上げ、受け止める。投げ終わる頃、祭りはクライマックスの状態を迎える。各神輿の提灯に明かりを灯すころ、花火(スターマイン)が秋の夜空を彩る合図とともに、神輿を高々と掲げ、二社三社と寄り添い、哀調おびた別れをおしむ唄「若けもんども 別れがつらい会うて別れがなけりゃよい」と唄うさまは、先ほどまでの荒々しさとうって変わった風情といえる。この大別れ式では大原小学校の校庭が神輿、氏子観衆で埋まり、祭り絵巻が繰り広げられる。

日が落ちて暗い中、鉢巻とサラシを巻いた褐色の大勢の担ぎ手たちと奥に数基の神輿が集まっていて、神社の名が記された沢山の提灯が下げられている写真

 この大別れ式は午後6時半頃に終わり、それぞれの神輿はそのまま各地区へ帰るのを拒むかのように午後10時ごろまで商店街でもみあう。2日目は、午前中それぞれ地区の行事後、午後3時頃大原八幡神社に参集。自由渡御後、午後4時頃、木戸泉酒造前に打ち揃い、以後初日と同じ体制で大別れ式に臨む。この日は大別れ式後来年の祭りまで、しばし神輿との別れを惜しむ若衆が遅くまで神輿をもんだあと、甚句や木遣によって宮入りとなる。

祭りの由来

 大原はだか祭りは、古く江戸時代から行われていた。このことは大井区の瀧内神社に祭りの風景を措いた絵馬があり、その絵馬が、文久4年(1864年)に奉納されたことや別の絵馬に天保12年とあることから、160年前の天保年間にすでに、祭礼のしきたりや組織が出来あがっていたことがうかがわれる。
 行事も十社まいりや浜での大漁祈願、汐ふみ、大別れ式と、華やかなものが行われてきた。江戸時代の当地域はこれといった娯楽もなく、この祭りは住民が年一回の最大の楽しみとして受け継がれてきた。古老の言を借りれば、何を質に入れても祭りの仕度を整えたといわれる。
 当時は仕事の忙しさから、とかくお互いの気持ちがばらばらになりがちであった。このためこの地域の領主は唯一無二の娯楽である祭りが集団行動と意志の疎通を図ることができるという重要さを認め、神輿渡御が無事に終ったことを早飛脚で大多喜城主に報告せしめたとある。
 期日も昔は8月13日から15日までであったのが改暦により、明治6年からは9月23日から25日とされ、さらに大正2年より9月23日、24日の2日に渡って行われるようになった。
 この祭りは他に比類ない勇壮な祭りであることから、戦時中、当時の氏子総代が警察に祭り騒ぎでもないとして自粛を申し入れるに、地域住民の士気を鼓舞するによいことだから大いに活発な祭りを行うよう署より申し渡されたと伝えられる。

国体本会場に参加

 このように勇壮豪快な祭りであるにもかかわらず、近隣の町村の人以外知られていなかったが、千葉国民体育大会の本会場へ出場して以来、にわかに脚光を浴びその後、全国豊かな海づくり大会での天皇皇后両陛下の御前での披露、全国スポーツ・レクリエーション祭への出場を機に、全国的にその名を轟かせている。

アクセス・駐車場

駐車場は、いすみ市役所にあります。
ただし、台数に限りがありますので、公共交通機関をご利用ください。

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水産商工観光課観光・誘客推進班

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