上総十二社まつり

更新日:2021年03月10日

釣ヶ崎の祭典

 この祭礼は、9月13日上総一宮の玉前神社をはじめ、例祭が斎行される。これにともない、神輿神幸祭には一宮町東浪見の釣ヶ崎海岸に各社の神輿が集まり、古来よりの伝統的な行事を受け継いでいる。

祭りの由来

「裸祭り」(神輿を担ぐ姿が裸に近い)の名前で親しまれ、秋の風物詩となっているこの祭りは、記録によれば約1200年の歴史がある。由来は、玉前神社の祭神玉依姫命の一族が房総半島に上陸したゆかりの場所(玉前神社の祭神は、海に漂着した玉という説がある)釣ヶ崎(一宮町東浪見)で再会することに始まった、といわれている。一宮町を中心に、近隣5市町村の広域から神輿が集まり、房総の代表的な「海のまつり」として県指定無形民俗文化財となっている。

祭りの流れ

9月8日に睦沢町の鵜羽神社で行われる「御漱祭(オミスリ)」から始まる。この神社は玉依姫命の夫にあたる祭神を祀り、玉前神社と深い関係がある。同日、祭礼に関係する各地では幟立てが行われる。

10日には鵜羽神社から玉前神社に向って神輿が出る。玉前神社では「御迎祭り」と称して神輿を迎え、境内の神楽殿では上総神楽(県指定無形民俗文化財)が奉納される。

13日、祭礼当日は神輿の前に御幣を乗せた神馬や、着飾った子どもたちを馬に乗せて走る神主、命婦が先に出て、その後ろから神輿が連なって、祭典場まで走り抜ける。釣ヶ崎の祭典場に集まる神輿には歴史的変遷がある。江戸時代の記録には玉前神社(一宮町)玉垣神社(睦沢町)三之宮神社(睦沢町)橘樹神社(茂原市)二之宮神社(茂原市)南宮神社(一宮町、長生村)を「玉前六社」、またこれを迎える役目で、玉崎神社(旧岬町和泉、中原)、玉前神社(旧岬町椎木、一宮町綱田)を「山之内四社」としている。なお、神輿一基を一社と数え、各神社は「大宮」「若宮」2基ずつあるので、「玉前六社」が集まると「十二社」となる。
 現在は、玉前神社(一宮町)と南宮神社、「山之内四社」、谷上神社(旧岬町谷上)の5社9基の神輿が集合する(三之宮神社は玉前神社まで)。九十九里浜の波打ち際を走ってきた氏子たちは、神輿を高く持ち上げて再会を喜び、またそれぞれの神社へ祭神を乗せて帰っていく。

14日に幟を倒すと静かな日常が戻り、東上総も秋が深まっていく。

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